機械の修復 レストア・・・・古い機械のレストアも行っています。 | |
※レストア (リストア) ・・・・ 元通りの状態に復旧、修繕すること | |
洋服を作る機械には、その時代なりの目的があり、最近は低コストで作業効率を追求した機械が多いのですが、20年、30年前の機械には、当時は当たり前だった、使い手が思うように使いこなせる柔軟さや、縫い目の暖かさ、柔らかさがあり、それが現代ではかえって新鮮に見えます。 |
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沢山使い込んだ古い機械ですから、何回もオーバーホールをし、大事に使っているお客様(工場)がいます。(主に、ドイツ、イタリアの機械が主)また、ジーンズ・バッグ・レディスインポートブランドの業種の方の多くが、柔らかい縫い目にこだわり、古い機械を大事にする傾向にあります。 | |
壊れないように先に手を入れておく、壊れたら直す。当たり前のことですが、補修のパーツが手に入らなかったり、メンテナンスをするための資料がなかったりします。私の先代の父が、この分野に詳しく、私自身も見よう見まねで、色々なことを教わりました。 | |
写真は、30年前のドイツ製のボタンホールのミシンをレストアしている所です。・・・デュルコップ社557-35型(この機械は、現代の同じ機械と比べて、手縫い風の柔らかいボタンホールに縫い上げることが出来ます |
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各部をチェックしながら、全分解をするのは半日ほどで可能なのですが、元通りにレストアをするのには、1〜3ヶ月ほどかかります。 入手できない部品は、作り直したり、溶接や研磨修正などを行います。 |
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右上の黄色の矢印の部品などは良く壊れる(折れる)典型的な部品で、今となっては国内では手に入らず、本国のドイツでも入手が困難です。当時から高価な部品で、これだけで約20万円しました。このような部品は、折れた部分を溶接し、精度を出すために修正、研磨をし、再利用します。 | |
出来上がった部品を組み上げ、このミシンの場合は1000回以上、試縫いの音を聞きながら、色々な糸や素材を使ってボタンホールを縫っていきます。 | |
試縫いの始めの頃は、堅い音がしますが、次第に精密で雑味のない音になってきます。お客様も、同様に、まず第一に音を聞いて満足されることが多いようです。 |